誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは

人気アニメ「ルパン三世」の原作者で、漫画家のモンキー・パンチさんは「誤嚥性肺炎」で81歳亡くなりました。

そこで、最近、急増する「誤嚥性肺炎」について触れます。
モンキー・パンチさんの死因となった誤嚥(ごえん)性肺炎は、食べ物や飲み物が食道ではなく、気管に入ってしまう「誤嚥」によって、肺炎になってしまう病気です。

がんと心疾患に続いて、肺炎は日本人の死因の3位ですが、高齢者の肺炎の約7割は誤嚥性肺炎が占めます。高齢者の増加に伴い、患者数も増加しているそうです。


起きているときに気管にものが入ればむせて気づきますが、眠っている間に唾液を少しずつ誤嚥することがあり、これは気づきにくいものです。

とくに高齢者はなおさらで、そのため誤嚥性肺炎は高齢者に多く発症し、そして、菌が薬に対して抵抗力をもってしまい、薬が効きにくくなります。

ですから予防に努めること、かかってしまった際には完全に治すことが大切です。


治療には抗生物質を用いますが、ステロイド剤を用いることもあります。

さらに呼吸がうまくできずに酸素欠乏状態になった場合は、酸素吸入や状態によっては人工呼吸器を装着することもあります。

そこで、誤嚥性肺炎の予防方法についてお話しします。
誤嚥性肺炎の予防には、次のことを心がけましょう。


(1)口腔の清潔を保つ

口腔は肺や胃腸の入り口です。適度な湿度と温度が保たれている口腔は細菌にとって居心地よく、歯磨きやうがいを怠るとすぐに細菌が繁殖します。

そのため歯磨きをしっかり行ない、口のなかの細菌を繁殖させないこと、そして肺へ運び入れないことが重要です。


(2)胃液の逆流を防ぐ

ゲップや胸焼けなどがある場合は、胃液の逆流が起こりえます。

その場合、食後2時間ほど座って身体を起こしていることで、逆流を防止できます。


(3)嚥下反射を改善する

嚥下とは物を飲み下すことをいいます。これがうまくいかない状態を嚥下障害といい、誤嚥性肺炎を引き起こす原因のひとつです。

食べ物を咀嚼(そしゃく)したり、のどに送り込んだりするには、口腔や舌の筋肉すなわち運動機能が重要です。

これらの運動機能を鍛える訓練として「あいうべ体操」や「パタカラ体操」があります。声を出しながら口や舌を大きく動かすことで、口腔の機能を高めます。嚥下には舌骨上筋群や咽頭筋が重要です。

以上の訓練はご自宅でもできるものなのでぜひ試してみてはいかがでしょうか。