プロフェッショナルケアについて

今月は「プロフェッショナルケア」についてお話しします。

毎日しっかり歯磨きをしているのに、どうして歯科医院でクリーニングを受ける必要があるのか?と思ったことはありませんか。
それはセルフケアでは落とすことのできない汚れや歯石があるからです。
自宅で行う歯磨きで落ちるのは、歯垢や食べかすなどです。
「バイオフィルム」と呼ばれる細菌がつくった膜や、歯石、タバコやコーヒーなどの着色は落とすことはできません。
またどんなに丁寧にセルフケアしていても、清掃用具の届きにくいところがあります。
プロフェッショナルケアでは、歯科医師や歯科衛生士がそういった汚れや歯石を専用の器材を使用して除去し、一人一人に合った口腔清掃法の指導を行います。

代表的なプロフェッショナルケアに、「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」というものがあります。
これは、電動ブラシなどの専用機械や特殊なチップ、ペーストを使って、口腔内をクリーニングすることです。
セルフケアでは落とせない歯周ポケット内の汚れやバイオフィルも除去します。
ツルツルに磨きあげ、最後にフッ素を塗ります。
見た目が良くなる、爽快感が得られるというだけでなく虫歯や歯周病の予防になります。

他に、「スケーリング」、「ルートプレーニング」といった処置があります。
簡単に言うと歯石をとることです。
専用の器具で歯の表面にある歯石を落とすのですが、主に歯肉付近の歯石を除去することをスケーリング、歯周ポケット内などの歯根表面の歯石を除去することをルートプレーニングといいます。
歯石は、歯垢が唾液中のカルシウムやリンなどのミネラル成分と結びついて石のように固くなったものです。
いったん除去しても、歯ブラシの届きにくい場所や、日ごろから磨き残しのある部位には再びついてしまいます。
つきやすさには個人差がありますが、長期間あいてしまうと歯石が固くなり除去に時間がかかる、炎症に伴う痛みや出血を起こしやすくなる等、患者さんに負担がかかってしまいます。
そのため、3か月に1度くらいのペースで定期的に除去することをおすすめします。

そして、患者さんの口腔内は一人一人違います。
クリーニングや歯石除去を行った後、生活習慣や食生活、口腔内の状況に合わせた口腔清掃法の指導を行います。
ご自宅でアドバイスをいかしてセルフケアを行うことが、虫歯や歯周病など口腔疾患の予防につながります。