顎関節症のセルフケアについて

今月のトピックは、顎関節症の方のセルフケアについてです。
セルフケアは顎関節症の治療の基本といっても過言ではありません。
主なものを上げていきます。

①顎を安静にする⇒食べ物をやわらかめのごはん、ヨーグルトのようなものにする。パンの耳や硬い肉類などを控えるようにする
『唇を閉じ、上下の歯を離し、顔の筋肉の力を抜く』を心がける。
②口を大きく開けない⇒食べ物は一口で食べられる大きさに切るように配慮する。あくびをすると筋肉や靭帯はかなり引き伸ばされることになります。あくびをコントロールするには、こぶしを下あごにあててあくびの力に逆らって軽く押し上げると、口を開きすぎることはなくなります。手が使えないときは、顎を胸につけるようにしてあくびをしましょう。
③温湿布や冷湿布をする(物理療法)⇒筋肉が慢性的に傷んだり、筋肉の緊張が強かったりする場合は、温めたタオルなどで温湿布すると症状が緩和されます。痛みや緊張感のある患部に一日20分くらい温シップをすると効果的です。入浴時に熱めのシャワーを10くらい患部にかけてもよいでしょう。関節に急に痛みが起こった時は、逆に冷湿布で患部を冷やします。冷すことで痛みや腫れが軽減します。
④よい姿勢を保つ⇒椅子に腰を掛ける時は背筋を伸ばします。
⑤寝る時うつ伏せを避ける
⑥あごの体操を行う(運動療法)1日何回かあごの運動を行いましょう。

1例をあげます。

【筋エクササイズ】

①口をリズミカルに開閉させる。
②指で下あごを押さえながら下あごを前に出す。
③下あごを右に当てた指で軽く押しながら顎を右に動かす(側方運動)
④下あごを指で押さえながら口を開け閉めする。
⑤リラクゼーションを心掛ける。背もたれのある椅子に腰を掛けて目をつぶり、両腕を脇にたらします。あごの筋肉から力を抜くようにこころがける(自分に「力を抜く」と言い聞かせるとよい)
肩、ひじ、手首、指先と順に力を抜いていき、最後に指先が重くしびれるような感じになるまで5~10分ぐらいまで行う。
⑥全身運動をする⇒以上の他にウォーキングや水泳などの全身運動を週2~3回行う。

多項目あげましたが手始めに、

①時々、休息して、ストレッチング
②唇を閉じて上下の歯を離し、顔の筋肉の力を抜く

ということをまず、意識して毎日を過ごしてみてください。

参考文献)あごが痛い、口が開かない  顎関節症[監修]和嶋浩一[編]NHK出版.