歯周病を予防しよう!

落ち葉が風に舞う季節となりましたが、皆様、お変わりありませんか?
さて、今月のトピックのテーマは、歯周病とは、どんな病気かについてです。

歯周病は、全身疾患と関連性があると言われてますが、では、歯周病はどんな病気かを理解することが大切と思い、このテーマにしました。
歯周病は文字どおり、歯の周りの病気です。
歯そのものに起きる病気の代表が虫歯であるのに対して、歯周病は歯を支えている歯肉や歯槽という部分に起きます。
歯を支えているこれらの組織に炎症が起き、それが長期間続きます。
歯周組織が少しずつ傷められ、歯を支える力は徐々に衰えていきます。
やがて歯がぐらついてきます。
こうなるまで、多くの場合、あまり自覚症状はありません。

口臭が気になってしまったり、風邪をひいたときに歯茎が腫れることはありますが、それを歯周病と結び付けて治療を受ける人は、あまりいらっしゃらないようです。
恐らく、歯周病には、虫歯が進行したときに感じるような激しい痛みが少ないからなのでしょう。

しかし、歯がぐらつき始めてからの歯周病治療は大掛かりになりますし、他の歯への負担を考えて、抜歯するしかないこともあります。
歯の本当の大切さを、失ってからしみじみ実感するようなことにならないよう、歯周病をしっかり治療していきましょう。

歯周病の原因は、口の中に住み着いている細菌です。
歯をしっかり磨いていないと、歯と歯茎の間の間に食べ物の残り食べかすがたまり、口の中の細菌の良い居住環境を提供してしまうのです。
そして歯肉が侵されて歯周ポケットができると、ポケットの奥は歯ブラシが届かず磨くことができませんので、ますます細菌を勢いづけてしまうことになります。

歯周病罹患者を数字で見ると歯肉炎及び歯周疾患の患者数は、331万5,000人 年齢別で罹患者を見ると歯周病の有病率、20歳代で約7割、30~50歳代は約8割、60歳代は約9割というデータがでています。

では、「歯周病の予防と治療」についてお話します。
歯周病の原因は、口の中に住み着いている細菌です。
ですから、その細菌の数を少なくすることが、歯周病治療の基本です。どうすれば良いのかというと、なにも難しいことではなく、歯をしっかり磨くことです。

歯磨きで大切なことは、歯と歯茎の間など、歯ブラシの毛先があたりにくい所をしっかり磨くのと同時に、歯間ブラシを用いて歯と歯の間をきれいにすることです。
そういう所ほど、細菌が住み着きやすい場所だからです。
この点を勘違いして、歯の表面をピカピカ磨いて満足していらっしゃる方が少なくないようです。
正しい歯の磨き方をぜひ一度、歯科医院で教わってください。

次に大切なことは、定期的に歯科医院を受診することです。
どんなに歯をしっかり磨いていても、どうしても磨き切れない部分がありますし、そのような磨き残しからできる歯石は、歯科医院で取ってもらう以外、方法がないからです。
もちろん、歯周病の検査のためにも定期的な受診が必要です。

それともう一つ。
たばこを吸う人は禁煙してください。
たばこを吸うと、口の中が細菌の繁殖に適した環境に変化し、また、菌に侵された歯周組織の再生が妨げられ、歯周病の進行が早くなるからです。
進行し深くなった歯周ポケットに対しては、歯肉を切り取る手術療法をします。
それにより、細菌が繁殖する足場をなくし、歯の根元までしっかり歯磨きできるようになります。
★の数が多いほど関連が強いことを意味します。
★★☆
糖尿病
糖尿病は歯周病の危険因子であり、かつ、歯周病があると血糖値が高くなりやすくなります
★☆☆
肥満症/メタボリックシンドロームタバコ病
肥満症/メタボリックシンドロやタバコは、歯周病の危険因子の一つです
★☆☆
動脈硬化
近年、歯周病が動脈硬化の危険因子の一つであるとする研究発表が増えています
皆さん、歯周病にかかっているか、歯科医院に行かれて現状把握されることをお勧めします。
参考文献)日本生活習慣病予防協会「生活習慣病~歯周病」

今月の診療時間、日時についてですが、18日(日)がと東京の学会があり、院長不在のため、その週の日時が変更し、17日(土)が休診となりますので、振替として14日(水)が10-17時までと変更になりますのでよろしくお願いします。
向寒のみぎり、お風邪にはお気をつけてお過ごしください。