歯性上顎炎について

今月のトピックは歯性上顎炎についてです。

虫歯になるととても痛くなります。
しかし、痛いのを我慢していれば痛み自体は落ち着いてきます。
そこでそのまま放っておくとどうなるのでしょう?
大きな虫歯では歯の中の神経に虫歯菌が入ることで、痛みが出ます。
しかし神経が死んでしまうと痛みは感じなくなります。
神経が死んでしまったあと、神経が入っていた管を通じて虫歯菌は顎の骨に侵入し始めます。
通常であれば顎の骨は血液が豊富な場所なので免疫が働いて膿が出来ます。
これにより、根っこの先に膿が溜まり、咬むと痛くなったりします。
しかし、免疫が弱かったり体力が低下していたりすると、虫歯菌はさらに奥へと侵入します。
上の顎の場合には上顎洞というほら穴があり、そこに菌が入ると上顎洞炎を起こします。
これが歯性上顎洞炎です。

上顎洞炎になると、鼻が詰まった感じがしたり、鼻声になったりします。
もっと奥まで菌が侵入すると、菌が体全体に広がる菌血症となり、発熱などの症状が出ます。


むし歯、歯周炎を長い間治療せずに放置していると、歯性上顎洞炎になってしまうと大変なので定期健診は重要ですね。